コラム

交通事故で怪我の治療が長引きそう。
治療はいつまで続けられる?

 いつもの通勤途中で、あるいは買い物に行った帰りに、交通事故はいつも突然やってきます。そんなまさかの交通事故、仕事をしながら、家事をしながら、でも病院には通わなければなりません。こんなにも痛みが出るとは思ってもみなかった。そんなとき、ふと疑問に思うのが「治療はいつまで続けられるのか」ではないでしょうか。

怪我の大きさから治療が長引きそうですが、いつまで治療が続けられるか不安です。

【ご相談内容】

 1週間前、いつものスーパーに買物に行っていたところ、脇道から出てきた車に衝突される交通事故に遭いました。数年前にも事故に遭ったことがあり、そのときも怪我をして通院しましたが、今回の怪我は以前の怪我よりも重く感じます。以前の事故のときも2か月ほど治療を続けましたが、今回の治療はいつまで続けられるか不安です。

【結論】現時点で治療がいつまで続けられるかはわかりません。まずは、1日でも早く治すことを最優先に考えましょう。

 性格、骨格、体力などが人それぞれ違うように、交通事故も1つとして同じ事故はありません。すべて違う交通事故と人体の構造、この2つ(とその他の事情)が複雑に絡み合って怪我をし、症状が出ます。あなたが今苦しんでいらっしゃるお怪我が(流石にそれはないと思いますが、)明日治るのか治るのに1か月かかるのか、半年かかるのか、はたまた治らずに後遺障害が残ってしまうのか。事故から1週間という段階では誰も予測がつかないものです。

 だからこそ、被害者の皆さまが治療の期間について不安に思われるお気持ちはお察ししますが、まずは、病院に通って、1日も早くお怪我を治すことを最優先に考えられたほうがいいと思います。

治療期間の目安がないこともない

 そうはいっても、治療期間の目安がないわけではありません。例えば、上記の相談者の方は、数年前にも交通事故に遭われており、その際は2か月程度治療を続けられたということでした。そして、今回の事故でのお怪我は2年前の事故のお怪我よりも重いと感じていらっしゃる。そうすると、今回の事故のお怪我の治療のために必要な治療期間は前回事故のお怪我の治療期間よりも長くなる、ということが十分推測できます。

 また、交通事故の内容も人体の構造もそれぞれ異なるとはいえ、事故態様によっては発生しやすいお怪我というものもあります(それでもかなり多くの数にはなります。)。もし、ご自身のお怪我の内容(傷病名、といいます)がわかるのであれば、病院のドクターや弁護士に尋ねてみてはいかがでしょうか。あくまで一般的な回答になりますが、目安はわかるかもしれません。

保険会社はいつまで治療費を払ってくれるのか。

 上記の相談者の方が例えば3か月の治療が必要だとして、保険会社が3か月間治療費を払ってくれる保障はありません。保険会社が治療費を払わなかったとしても治療に通うことはできますが、ご自身で手出しした治療費を後から保険会社が必ずしも払ってくるとは限りません(この点は【治療の打切りは絶対ですか?】に詳しく書きましたので、気になる方はご覧ください。)。

 したがって、保険会社が治療費の支払いを行っている場合、保険会社がいつまで治療費を支払ってくれそうなのかという当たりをつけることも必要ですし、きっちりと(上記の場合で言えば3か月)治療費を支払ってもらうよう交渉することも必要となるかもしれません。

まとめ

 交通事故の被害に遭われた場合、通院治療だけでも大変なのに保険会社対応もしなければならず、被害者の方の負担は思った以上に大きいものです。加えて、ご自身のお体のことですから、やはり不安は尽きないものです。弁護士は被害者の方に治療をして痛みを取ることはできませんが、代理人として相手方保険会社と交渉することはできます。もし、治療期間でお困りの際は、ご依頼を検討されてみてはいかがでしょうか。

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